新刊の文庫小説を★の数で採点し、稚拙な文章も添えます.。ネタばれは少なめに、皆さんが本を手に取るきっかけになれば幸いです。                                                            
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評価:★★★★★

「人に勧めたい」・「作者の他作品をすぐにでも読みたい」とは思いません……しかし、紛れもない傑作です。

主人公である週刊誌編集長の『カワバタ』がとにかく自問自答し続けます。胃ガンに侵された身体、過去に亡くした息子、お互いに不貞を働く妻との関係…そして種々の実生活における問題と同程度の分量で拡大し続ける格差社会への憂いが描かれていきます。

「読みにくい」・「上巻でギブアップした」という身も蓋もない感想や「内容が浅い」・「共感できない」ことからの低評価も決して少ないようです。確かに脈絡なく挟まれる引用の分量も相当なものですし、その部分を差し引いてもテンポが良いとはお世辞にも言えません。加えて私自身も『カワバタ』の経済や格差社会に対しての考え方についてはあまり共感出来る所はありません。

但し、主人公である『カワバタ』と共感出来ない部分が多かったからこそ十二分に本作品を楽しめたと考えています。『カワバタ』の問題提起に対して「自分ならばどう答えるか」…文字通り『本』と格闘出来た事がこれまで味わったことがない貴重な読書体験となりました。

また、ノイズが多いので埋もれがちですが出版社におけるパワーゲームの下りは緊迫感があり最高に面白いです。その辺りにも注目して読めば本作品が作者の地力があるからこそ成立させられたのだと確信出来るはずです。
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[2011/12/27 18:24] | ★★★★★
[tag] 白石一文
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