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新刊の文庫小説を★の数で採点し、稚拙な文章も添えます.。ネタばれは少なめに、皆さんが本を手に取るきっかけになれば幸いです。                                                            
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どこから行っても遠い町 (新潮文庫)どこから行っても遠い町 (新潮文庫)
(2011/08/28)
川上 弘美

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評価:★★★

『どこから行っても遠い町』 具体的には出てこないけど、なんとなくわかるなと思い、珍しく「タイトル買い」をしました。読了後もタイトルを目にした時と同じような感覚を持ちました。このタイトルは本当に素晴らしい。

東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを綴った連作短編集です。基本的に一遍ごと語り手は入れ替わりますが、共通で登場する脇役がいたり、語り手だった人物が他の編で脇役として登場したりもします。一つの町を舞台に各編が緩めにリンクしていくような構成となっています。何も特別な事は起きない話だと高を括っていると、さらっと人の死や刀傷沙汰が放り込まれる不思議な作品です。

文章は上手いですし、人間関係における機微の描き方は秀逸です。(予感はおおむねはずれるものだけれど、予感がある、というそのことだけで、じゅうぶんなんじゃないかと、あたしは思う)。この一文はとても印象に残りました。ただ、登場する老若男女があまりにも皆、自分や他人を諦観し過ぎなのが気になりました。大多数の人々の日常が幸せ過ぎず不幸せ過ぎず、前向き過ぎず後ろ向き過ぎずというのはよくわかるのですが、そんな中でも自分や他人に期待してしまうのが生身の人間ではないでしょうか。淡々と自分や他人の人生を受け入れる人々が町に溢れ、そんな人々が一軒の居酒屋に集まり、談笑する場面はちょっとしたホラーでした。平凡を追い求め過ぎたことが却って歪さを生みだし、いまひとつ登場人物に感情移入出来ませんでした。
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FC2blog テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

[2011/09/08 13:22] | ★★★
[tag] 川上弘美
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